保護猫の譲渡会とは、保護された猫と里親希望者が直接会える場です。
これまでぽちとたまに掲載された譲渡会1,960件を集計すると、91.4%が土日に開催され、85.7%が10〜13時台に始まり、96.6%は2〜5時間で終わります。
そして、猫の譲渡会、お見合いで多くの方が誤解しているのが、その日に猫を連れて帰れるケースは多くないという点です。
この記事では、実際の開催データと、掲載された里親募集2,916件の譲渡条件をもとに、当日の流れ・持ち物・聞かれることを具体的にまとめました。
予備知識なしで行って戸惑わないための内容です。
保護猫の譲渡会とは?全体像【早見表】
譲渡会は、保護団体や個人の保護主が会場を借り、預かっている猫を連れてきて里親希望者と引き合わせるイベントです。
ペットショップのような販売ではなく、猫が二度と行き場を失わないよう、迎える側の環境を確認する場でもあります。
まず全体像です。数字はぽちとたまの掲載データにもとづく実測値です。
| 項目 | 実際のところ |
|---|---|
| 開催曜日 | 土日が91.4%(日曜58.0%/土曜33.4%) |
| 開始時刻 | 10〜13時台が85.7% |
| 所要時間(開催時間) | 2〜5時間が96.6%(中央値3時間) |
| 会場 | お寺、会社の一室、カフェ、公園などさまざま(440か所) |
| 参加費 | 無料が一般的(交通費のみ) |
| 予約 | 不要な会もあるが、事前予約制が増えています |
| その日に連れて帰れるか | 基本的にはできません(面談・審査・トライアルを経ます) |
| 必要な持ち物 | 身分証明書は必須。印鑑・筆記用具もあると安心 |
| 譲渡金 | 15,000〜40,000円程度(医療費の実費精算) |
※ぽちとたま掲載データ(2020年1月〜2026年1月/譲渡会1,960件を集計)。
【実データ】譲渡会1,960件を分析:91.4%が土日開催
ここからが、この記事でもっともお伝えしたい部分です。
「譲渡会に行ってみたいが、いつどこでやっているのか分からない」という声を聞くことがあります。
実際の開催データを集計すると、はっきりした傾向がありました。
日曜58.0%・土曜33.4%|平日開催は1割以下
| 曜日 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 日曜 | 1,102件 | 58.0% |
| 土曜 | 635件 | 33.4% |
| 月曜 | 48件 | 2.5% |
| 金曜 | 40件 | 2.1% |
| 水曜 | 33件 | 1.7% |
| 火曜 | 23件 | 1.2% |
| 木曜 | 20件 | 1.1% |
※開催日を特定できた1,901件を集計。「毎月第2水曜」のような定期開催の記載は別扱いとしています。
土日を合わせると91.4%。運営しているのが本業を持つボランティアであることが多いため、必然的に週末に集中します。
裏を返せば、平日しか動けない方は選択肢が一気に狭まるということです。その場合は、譲渡会ではなく里親募集サイトから個別に連絡を取るほうが現実的です。
ぽちとたま譲渡会掲載情報は下記からご覧下さいませ。
開始は10〜13時台が85.7%|開催時間は2〜5時間
| 開始時刻 | 割合 |
|---|---|
| 10時台 | 24.5% |
| 13時台 | 23.6% |
| 11時台 | 22.4% |
| 12時台 | 15.1% |
| 14時台 | 11.2% |
| その他 | 3.2% |
※開始時刻を特定できた1,904件を集計。
開催時間そのものは2〜5時間が96.6%で、中央値は3時間でした。
つまり多くの譲渡会は「日曜の昼前後に始まり、夕方前には終わる」形です。
ここから導ける実用的な結論は、終了間際に行かないことです。
3時間しかない会で終盤に着くと、スタッフは片づけに入っており、落ち着いて話を聞けません。
開始から1〜2時間の間に行くと、猫も人も落ち着いていて話しやすくなります。
会場は440か所!お寺の本堂から会社の一室まで
掲載された譲渡会の会場名を整理すると、ユニークな会場は440か所ありました。
内訳を見ると、専用施設よりも「借りた場所」が圧倒的に多いことが分かります。
| 会場の種類 | 割合 |
|---|---|
| カフェ・飲食店 | 7.1% |
| 公園・屋外 | 5.3% |
| 動物病院 | 1.9% |
| 自治体の施設(センター・公民館など) | 1.5% |
| ペットショップ・ホームセンター | 0.6% |
| その他(会社の一室・貸会議室・お寺など) | 83.6% |
※会場名の記載があった1,949件を集計。名称から確実に判定できたもののみ分類し、残りは「その他」としています。
実際の頻出会場には、お寺の本堂の隣室、製陶会社の社屋内、ホームセンターの2階、貸しギャラリーなどが並びます。
専用の施設を持たない団体が、地域の場所を借りて開いているというのが実態です。
この点は参加するうえでも意味を持ちます。冷暖房や広さが十分でない会場もあり、屋外開催なら天候の影響も受けます。
会場の設備を前提にせず、動きやすい服装で行くのが無難です。
譲渡会当日の流れ【6ステップ】
個人の活動者様や団体様の譲渡会によって細部は違いますが、気になる猫がいてエントリーされた場合、おおむね次の順序で進みます。
- 受付
- 猫との対面:ケージ越しに見たり、スタッフ立ち会いのもとで触れ合ったりします
- スタッフとの相談:住まい、家族構成、留守の時間などを伝え、合いそうな猫を一緒に考えます
- 申込み(希望する場合):アンケートや申込書に記入します。この時点では確定ではありません
- 説明:団体の方針、譲渡条件、譲渡金についての説明を受けます
- 後日の面談・トライアル:自宅の環境確認を経て、お試し期間に入るのが一般的です
所要時間の中央値が3時間であることを踏まえると、ひとりの来場者にかけられる時間は限られます。
聞きたいことは事前にメモしておくと、その場で慌てません。
譲渡会へ行く際の持ち物と服装
「手ぶらで行って大丈夫ですか?」という質問をよく受けますが、身分証明書だけは必ず持っていってください。
| 持ち物 | 必要度 | 理由 |
|---|---|---|
| 身分証明書(運転免許証・保険証など) | 必須 | 受付や申込みで確認されます |
| 筆記用具 | 必須に近い | アンケートや申込書の記入があります |
| 印鑑 | あると安心 | 申込書に押印を求める団体があります |
| 賃貸契約書のコピー | 状況による | ペット可物件かの確認を求められることがあります |
| 家族の同意がわかるもの | 状況による | 同居家族全員の同意を条件にする団体が多いためです |
| メモ(聞きたいこと) | 推奨 | 時間が限られるため、聞き漏らしを防げます |
| キャリーバッグ | 事前確認のうえで | 当日引き渡しがある場合のみ。勝手に持参しても基本は渡されません |
服装は汚れてもよい、動きやすいものを。
猫に触れる機会があるため、白い服や引っかかりやすいニットは避けたほうが無難です。香水は猫が嫌がるので控えてください。
【実データ】譲渡会で聞かれること・求められる条件
譲渡会で戸惑いやすいのが、思ったより細かく生活状況を聞かれる点です。これは詮索ではなく、猫が再び行き場を失わないための確認です。
ぽちとたまに掲載された里親募集のうち、譲渡条件の記載があった2,916件を集計すると、次のような条件が挙がっていました。
譲渡会で聞かれる内容もおおむねこれに沿います。
| 譲渡条件に含まれていた内容 | 割合 |
|---|---|
| 完全室内飼い | 47.7% |
| トライアル期間を設ける | 35.7% |
| 単身・一人暮らしへの言及 | 35.6% |
| 脱走防止対策 | 30.7% |
| 避妊去勢の実施を約束 | 26.6% |
| ワクチン接種 | 25.8% |
| 年齢制限の記載 | 24.1% |
| お見合い・面談 | 17.4% |
| 自宅訪問 | 17.4% |
| 先住猫・多頭飼いへの言及 | 16.0% |
※ぽちとたま掲載データ(譲渡条件の記載があった猫の里親募集2,916件を集計)。キーワードの出現率であり、その条件が必ず課されるとは限りません。
最多は「完全室内飼い」47.7%|現在は室内飼育が必須
もっとも多いのが完全室内飼いです。
外に出すと交通事故、感染症、近隣トラブル、そして行方不明のリスクがあるためで、これはほぼ譲渡の前提条件と考えてください。
単身・年齢に言及があっても35.6%と24.1%|門前払いではありません
「一人暮らしだと無理」「高齢だと断られる」と思われがちですが、単身に言及していた募集は35.6%、年齢制限の記載は24.1%でした。
裏を返せば、6割以上は単身に触れておらず、7割以上は年齢制限を書いていません。
また「単身」への言及は、不可という意味とは限りません。
「単身の方は要相談」「緊急時の預け先を確認させてください」という趣旨のことも多くあります。
条件が付く理由は、飼い主に何かあったときに猫が再び行き場を失うのを防ぐためです。代わりに世話ができる人を用意できるなら、相談の余地は十分にあります。
トライアル35.7%|断られても人格を否定されたわけではありません
トライアルは、実際に自宅で2週間前後一緒に暮らして相性を見る期間です。
ここで「合わない」と判断されることもあります。
大切なのは、見送りになっても、あなたが不適格だと言われたわけではないということです。
先住猫との相性、生活リズム、猫の性格など、どちらが悪いわけでもない理由がほとんどです。
保護主は何度も譲渡を見てきている分、うまくいかない組み合わせに気づきやすいだけです。
保護猫をお迎えする条件については『保護猫の譲渡条件が厳しいのはなぜ?単身・高齢でも迎えられる?』の記事を合わせてご覧くださいませ。
その日に猫を連れて帰れる?基本はできない
ここは期待とのギャップが生まれやすい点です。譲渡会に行ってその場で猫を連れて帰れることは、多くありません。
理由は次のとおりです。
- 迎える側の飼育環境を確認する必要があるため(自宅訪問を条件にする募集が17.4%あります)
- トライアル期間を設ける団体が多いため(35.7%)
- 家族全員の同意を確認する必要があるため
- その日に来ていた猫が、すでに他の希望者と話が進んでいることがあるため
「即日で迎えられない」のは団体が意地悪をしているのではなく、返還を防ぐための手順です。
ここを理解して行くと、当日のやりとりがずっと楽になります。
【実データ】譲渡会で出会える猫の傾向
どんな猫がいるのかも、事前に知っておくと選びやすくなります。ぽちとたまに掲載された猫の里親募集2,982件を集計しました。
| 項目 | 数値 | 集計件数 |
|---|---|---|
| 子猫の割合 | 62.6% | 2,982件 |
| 成猫の割合 | 33.4% | 同上 |
| 老猫の割合 | 2.1% | 同上 |
| ワクチン接種済み | 72.9% | 2,892件 |
| 避妊去勢済み(成猫・老猫) | 91.7% | 1,006件 |
| 避妊去勢済み(子猫) | 24.1% | 1,820件 |
※ぽちとたま掲載データ(2019年6月〜2026年5月)。表記のゆれを正規化し、「不明」は母数から除いています。
注目したいのは子猫が62.6%を占める点です。譲渡会でも子猫は人気が集まりやすく、希望者が重なることがあります。
一方で成猫は、すでに性格が固まっていて避妊去勢も91.7%が済んでいるため、迎えたあとの見通しが立てやすいという利点があります。
子猫の避妊去勢が24.1%と低いのは対応の遅れではなく、手術できる月齢(生後6か月前後)に達していないためです。
子猫を迎える場合は、あとから手術費が1〜4万円ほどかかる前提で考えておくと安心です。
譲渡会・里親募集サイト・保護猫カフェ・保健所の違い【比較表】
猫を迎える経路はいくつかあり、それぞれ向き不向きがあります。
| 譲渡会 | 里親募集サイト | 保護猫カフェ | 保健所・愛護センター | |
|---|---|---|---|---|
| 会える猫の数 | 一度に複数 | 掲載数は多い | 店舗にいる猫 | 収容中の猫 |
| その場で比較 | できる | 写真と文章のみ | できる | できる |
| 日程の自由度 | 低い(土日91.4%) | 高い(いつでも) | 高い(営業日) | 平日中心 |
| じっくり触れ合える | 時間が限られる | 面会時に可能 | ゆっくり可能 | 限定的 |
| 保護主と直接話せる | 話せる | 連絡を取れば可能 | スタッフ経由 | 職員経由 |
| 費用の目安 | 15,000〜40,000円 | 15,000〜40,000円 | 店舗による | 無料〜少額 |
平日しか動けない、近くで譲渡会が開かれていない、という場合は里親募集サイトから探すほうが確実です。
逆に複数の猫を一度に見て、保護主と直接話したいなら譲渡会が向いています。
保護猫をお迎えする費用については『保護猫の費用は総額いくら?譲渡金と実データで解説【2026年】』の記事も合わせてご覧くださいませ。
譲渡会で失敗しないための5つの心構え
- その日に決めなくてよい|迷ったら持ち帰って考えると伝えて構いません。急かす団体は多くありません
- 見た目だけで選ばない|留守がちなら、甘えん坊よりマイペースな猫のほうが合うこともあります。スタッフに生活リズムを伝えて相談するのがいちばん確実です
- 質問を用意していく|持病の有無、先住猫との相性、食事の内容など、あとから困りやすい点を先に聞いておきます
- 条件は交渉ではなく確認|合わない条件があれば、その猫とは縁がなかっただけです。別の保護主なら条件が違います
- 断られても引きずらない|相性の問題であることがほとんどです
よくある質問
Q. 保護猫の譲渡会はいつ開催されていますか?
A. 土日が中心です。ぽちとたま掲載の1,901件を集計すると日曜58.0%・土曜33.4%で、土日が91.4%を占めました。開始は10〜13時台が85.7%、開催時間は2〜5時間が96.6%です。
Q. 譲渡会に予約は必要ですか?参加費はかかりますか?
A. 参加費は無料が一般的です。予約は不要な会もありますが、近年は密を避けるため事前予約制が増えています。掲載情報に予約方法の記載があるので、行く前に必ず確認してください。
Q. 譲渡会に行ったその日に猫を連れて帰れますか?
A. 多くの場合できません。飼育環境の確認や家族の同意確認があり、トライアル期間を設ける募集も35.7%あります。キャリーバッグを持参しても、その場で引き渡されるとは限りません。
Q. 譲渡会の持ち物は何が必要ですか?
A. 身分証明書は必須です。あわせて筆記用具と印鑑があると安心です。賃貸にお住まいなら、ペット可であることが分かる契約書のコピーを求められる場合があります。
Q. 一人暮らしや高齢でも譲渡会で猫を迎えられますか?
A. 可能性はあります。単身に言及した募集は35.6%、年齢制限の記載は24.1%で、いずれも全体の少数派です。緊急時に猫を預けられる人を用意できるかが要になるので、その点を整理して相談してみてください。
Q. 譲渡会で猫を見送られたら、もう迎えられませんか?
A. そんなことはありません。見送りの理由は先住猫との相性や生活リズムなど、どちらが悪いわけでもない場合がほとんどです。保護主が変われば条件も変わるので、別の譲渡会や里親募集を見てみてください。
まとめ
- 譲渡会は土日開催が91.4%(日曜58.0%・土曜33.4%)。平日しか動けない場合は里親募集サイトのほうが現実的です
- 開始は10〜13時台が85.7%、開催時間は2〜5時間が96.6%。終了間際ではなく、開始から1〜2時間の間に行くと落ち着いて話せます
- 会場は440か所と多様で、お寺や会社の一室など借りた場所がほとんど。設備を前提にせず動きやすい服装で
- 身分証明書は必須。筆記用具と印鑑もあると安心です
- もっとも多い譲渡条件は完全室内飼い47.7%。ほぼ前提と考えてください
- その日に連れて帰れることは多くありません。面談・トライアルを経るのが一般的です
- 出会える猫は子猫が62.6%。成猫は避妊去勢済みが91.7%で、迎えたあとの見通しが立てやすい選択肢です
ぽちとたまには、全国の保護主・団体から寄せられた譲渡会情報と里親募集が掲載されています。お住まいの地域で近く開催される譲渡会を探すところから、始めてみてください。
猫をお迎えする際に用意するものについては『保護猫を迎える前に揃えるもの完全リスト【最低限+あると便利】』の記事を合わせてご覧くださいませ。
































